精神科・内科・漢方内科クリニック

佐瀬医院

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こころの学校

ここでは、こころやからだについて、院長が毎月メッセージを送ります。

第6回『我慢』

こころの学校 

「私はずっとガマンしてきました。」
「ガマンするしかないと思ってます。」
こんな風に告白される時があります。
 
「ガマン」て何でしょう?
見上げた根性?
悲壮な決意?
もしそれが、自ら最善と思って決めた曇りない姿勢なら、それを「忍耐」と呼びます。
そうでないなら、それは受け入れることもできない、拒絶することもできない、
行き場のない態度です。
 
「負の貯金」と私は呼んでいます。
 
感情にはエネルギーがあり、我慢して貯めるのは「怒り」「不満」「妬み」「恨み」など
当然、負のエネルギーです。
こうしたエネルギーは、発散するなり昇華するなりして解決しない限り、
実は無くなっていくことはありません。ただひたすら溜まっていくだけです。
これは相当にきついことなので、よく皆さんが「愚痴」とか「悪口」とかで他の人に放出し、
何とか臨界値に行かないよう負のエネルギー量を下げているわけです。
「堪忍袋の緒が切れる」というのは、まさしく臨界点に達し爆発したわけで、
大概はそれ自体は些細なきっかけであり、「いきなりキレて」しまいます。
キレられた相手は、なぜ今まで当たり前だったことで相手がいきなり切れるのか、
相手が何を苦しんでいたのか、気づいてさえいないことの方が多いのです。
その結果、どうしようもない禍根を残してしまうことがあります。
 
では仮に、「ガマン」し続けたとしましょう。
すると負のエネルギーは変成します。
相手に対する方向性を失い、自らを攻撃し始めます。ある日突然、胸が苦しくなったり、
めまいが出たりと、いわゆる自律神経が失調し始め、心臓病や呼吸器・消化器、
ありとあらゆる病気の下地となります。
そんな感情を決して溜め込んではいけないのです。
 
敢えて申し上げます。
「ガマン」は美徳ではなく、怠惰です。
解決しなければいけない問題を棚上げにしているだけです。
感情の糸のもつれは、もはや放置されている玉のようなものです。
放っておくとどんどん大きくなり、そのうちどこかの糸が切れ、
自分も相手もひどく傷つけます。
 
最初はごく小さく、大したことではないので、
「自分が我慢すれば上手くいく。」みんなそう言います。
でもそれが、毎日毎月毎年になったらどうします?
みんな相手のために我慢し、「俺だって我慢してるんだ!!」なんて我慢の比べ合いになります。
結局、それが原因で破綻するんです。
もしくは、破綻しているのに、そう見せないように我慢し続けます。
 
「ガマン」をやめたらどうなりますか?
皆さん、もっとひどいことになるといいます。
真にそうなら、立ち去ればいいのです。その関係を止めるだけです。
しかし、必ずやめない原因があります。
やめるのも怖いのです。
結局我慢とは、自分の恐怖にがんじがらめになっていることです。
 
ではあなたは何を恐れているのでしょうか?
あらゆる種類の暴力?
でも、間違いなく、あなたが縮こまれば縮こまるほど、
相手はもっと恐ろしくなります。
関係を断つと、一人では生きていけませんか?
これは能力の問題ではなく、勇気の問題です。
もう一つ、何故、受け入れることができないのでしょう?
何が許せないのでしょう?
 
我慢の解決法について、ここで一概に述べることはできません。
しかし、何より大切なのが「ガマン」は解決法ではなく何も解決していないことなのだと
理解することです。
 
苦労して糸を解くと、人生が変わり、全てが変わります。
誰も傷つけず、誰にも傷つけられず、我慢しない、人生です。

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