精神科・内科・漢方内科クリニック

佐瀬医院

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こころの学校

ここでは、こころやからだについて、院長が毎月メッセージを送ります。

第17回『裁かない』

こころの学校 

「普通、そういうこと、人に言います?」
「ちゃんとやらない奴を見ると、イラッとするんだ。」
「そんなの、常識だろ!」

こんな声をよく聞きませんか?

一体、なぜ、皆さんは怒るのでしょう。

1+1=2
これを1+1=3
とした人がいたら、その人は私たちの全く知らない法則で解いている人か、
または法則を知らない人です。
知らないで困っている人がいたら、助けましょう。
人を助けることができるって、喜びです。

「太ってるね。」なんて、そういうこと普通人に向かって言います?

人が傷つくようなことは、あらかじめ予想して事実であっても言わないのが常識だ。
と言いたいのかもしれません。
でも実は、人がなんで傷つくのかなんて千差万別。
結局、自分と同じ感覚を持っている人間を善、持っていない人間を悪とし、
あなたが相手を裁いているんです。

あなたが善で周りが悪。
あなたが正しくて周りが間違い。
あなたが被害者で周りが加害者。

でも、本当にそうですか?
本当は、言われて傷つくあなたの劣等感がそう思わせているのではないですか?

「仕事をちゃんとやらない奴を見ると、イラッとするんだ。」

仕事をちゃんとして、その対価としてお給料をもらうというルールがあります。
誰かがきちんと仕事をしないと、周りが困ることもあります。
ですからちゃんと仕事をしてもらわないと困ります。

ではどうするのか。
答えはその人がどうして仕事をちゃんとしないのか、
その原因を突き止め正すこと。これ以上の方法はありません。

イラっとしても、ちっともその人は仕事をちゃんとするようにはならないのに、
皆さん、さもそれが正しいことのように訴えます。
何故でしょう。

小さい頃から、間違ったことをしたら叱ると教わってきたためか。
自分だって、サボりたいのを我慢しているのに、堂々やっているのが妬ましいからか。
ちゃんとするべき事をする人間だけが生きる価値があって、そうじゃない人間は
自分の世界にいて欲しくないからか。
はたまた、もっと他の理由か。

実はちゃんとやらない人間にも千差万別な理由があります。
そもそも、やらないのか、やれないのか、やらないならやらない理由が、
やれないならやれない理由があります。

例えば今までちゃんとやっても、褒めても認めても成果もくれない環境で生きてきたら、
ちゃんとやる意味がわからなくなります。
ちゃんとやってもやらなくても相手の気分次第で怒鳴られたいり褒められてきても、
ちゃんとやらなくなります。
ただ生きるための金を稼ぎたいだけなら、最低の労力でお金を稼ぐことは
彼らなりに理が通っています。
生きる意味もわからなかったら、周りのために頑張る意味もわかりません。
いつクビになっても、大した変わりはないのです。

一生懸命やっていてもやれない可能性もあります。
仕事がわからないけど怖くて訊けないとか。
できていると思っているけど、間違ってしまうとか。
こだわってしまって進まないとか。
やりたいのにやる気が出ないとか。

そうした事情全てをひっくるめて無視して、あなたが裁いているんです。

「挨拶ぐらいしろ!そんなの常識だろ!」

確かに、常識や礼儀は社会生活をする上で大変重要です。
人間関係を円滑にやっていくためには、きちんと身につけたほうが上手くいきます。
だから知らない人には教えたり、時には叱ることもあるでしょう。

しかし間違っても、それは人を裁く道具ではありません。
常識がないからって人として劣っているわけではないのです。
いきなり飛び込んだ外国人を見下さないでしょう。
子供を見下さないでしょう。
当然常識を知っているべき人間がそう振る舞わないなら、それはやはり、
彼らなりの理由でしないか、出来ないのです。
常識のない世界で生きたか、常識が通用しなかったか、常識がわからないか。

何かをもって人を裁く時、その時の自分の心根を見つめてください。
その心根が本当に相手の為か見つめてください。

自分の傷心を隠す為だったり、自分の虚栄心を満足させる為だったり、
自分の「正しい」で囲った狭い世界が崩れるのを避ける為だったり、
相手を叩き潰す為だったりしないか、見つめてください。

裁かなきゃいけない場面だってあるだろう。
ええ、あるかも知れません。
もし、あなたが裁かなければいけない場面に遭遇したら、あなたの小さなエゴから
ではなく、相手の生い立ちや境遇、周囲の状況、将来の見通しも含めて
彼が何故そうしたかを理解した上で裁いてください。
裁くことは、あなたが社会に変わって、判断することです。

「あいつはダメなやつだ。」とツバ吐くからにはそれだけのことをしてください。
もしくはそう思ったとしても、
自分の未熟な狭い了見では「あいつはダメなやつだ。」ぐらいにしといてください。

世の中嫌いな人間も、苦手な人間もいます。
それは、あなたと違う生き方をしているだけです。

どんな人も、幸せになるために必死で生きている人たちです。

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